最後に、テスラ株への投資が今かなり有望であることの根拠を書いておこうと思う。

まず何よりその哲学と視座が非常に高いことが挙げられる。定性的な話だが、やはり全ての根源は経営者のビジョンである。そのビジョンが非常に優れていてかつオーナー企業であり、通り易いことは成長に寄与する。そしてここまでリスクを取る企業も珍しい。そうした姿勢は長期的にみれば必ずリターンとして返ってくるはずである。Elon Muskの場合、抽象的なところから演繹的なものへと下ろす策が非常に上手いと思っている。例えば、ギガファクトリーの建設や、スーパーチャージャーの整備、蓄電池や太陽光発電とのシナジーなど、碁盤の上で他の自動車メーカーには打てない場所に石を打っている感じがする。そして、それはまさに囲碁のように将来繋がって強力な陣地になるであろう。

そのビジョンを具体的に述べているのが、次の10年計画であるマスタープランである。(現在はPart2)

Master Plan, Part Deux / Tesla

また、定量的な面から捉えると、損益計算書上は、EVの製造による粗利益率は20-25%とすこぶる高いことがわかる。

現在、赤字を計上しているのは販売コストや開発コストが今だに高い値を維持しているからである。しかし、そもそもディーラー性を敷いていないテスラは今後、販売コストを他の自動車メーカーと比べて如実に下げられるはずである。そして、開発コストに関しては、Model3の生産が安定すればこれ以上急増することはないと考えられる。(中国の工場建設でかかるかもしれないが)

そして、売り上げに関しては、Q2の時点で40%の成長が見られている。そもそもModel3の生産の目処が立って、やっと5000台/週に達したのが7月くらいだった。Q2は6月末で締め切っており、その後も生産が安定していることを考えると、Q3では6000台/週と仮定して、12.5週なので、75000台は納入できていると考える。Q2(4月頭の生産台数は2500台弱であった)と比べると大幅なアップが見られて、決算書上もかなり劇的な変化がもたらされるのではないかと思っている。そもそもEVは部品数も少ないため、コスト的にも安く済む。なおさらディーラーのようなシステムを使わなければ、基本的には利益が出るビジネスである。

なので重要な問題は、生産した物を買う顧客がいるかどうかなのである。

テスラの場合、ブランド化しているということが他のメーカーとの大きな違いであると思う。デザインには細部までこだわり、プロダクトは全く妥協がなくクールである。これはModel3でも期待を裏切らない。価格帯が低いため、中国や中所得国におけるニーズは非常に大きいと予想する。何より対抗馬の日産やトヨタの車はデザインがダサいw

結論これらがうまく回るのが、Model3の生産次第であり、多くの人が言うようにそれに伴うフリーキャッシュフローの黒字化なのだと思う。Q3ではフリーキャッシュフローは厳しいかもしれないが、営業キャッシュフローの黒字化など近い未来を見せてくれるのではないかと期待している。

もし、その兆しが見られれば株価は跳ねることは間違いないだろう。

Market Capが300B程度まで行くことも視野に入れても全然良いと思っている。

ダウンサイドはElon Muskの発言と、やはりCOOの不在だと思っている。優れたビジョンを形にする二番手がいないとどうしてもCEOは擦り切れて、バーンアウトしてしまう。そこが見つかれば完璧だろう。

頑張ってほしい。

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