一流のものを見たりすることは良いことである。感性が鋭くなり、今まで見えなかったものが見える様になる。
けれどもダウンサイドはある。
一度鋭くなった感性は元には戻れないということだ。
例えばワイン。一度ヴォーヌロマネの華やかな物を飲んでしまったら、普通のワインには戻れない。一度や二度飲むことはできるが、アベレージで飲むワインのランクは明らかに上がる。Macを買ってしまったらWindowsに戻れないのもそうだ。
そして、往々にして感性を刺激するものは高い。一見機能は同じでも価格面だと2倍以上する。ワインなんて750mlしかないし、すぐ無くなるけど値段は青天井だ。(ロマネコンティ1本が200万円くらい)
それでも感性は鋭くなるべきだと思っている。
僕らが住む社会を形成するのは美の感性が大きく左右すると信じている。美への意識は、ときに快適性をもたらし、ときに哲学的思考を問いかける。僕らがする全ての表現に感性は関わってくる。その一点に関して、感性を鋭くするメリットはあると考える。
今は贅沢したり、物にお金を掛けるのはダサい的な風潮があるし、僕もTシャツで済ませたりすることは多いけれど、繊細な部分に美を見出すのは人間しか出来ない貴重なことなので大切にしたいと思います。
今リヨンにいます。