4日前より一人サンディエゴに来ている。今は山火事で大気汚染がひどい。こっちにきてから寿司を食べてアシカを見て、家に閉じこもっている。どうしてこんな事になったのかは分からない。けれども、良くも悪くも、理想を追い求め、一つの場所に定住できない癖が出てしまったのだと思っている。
前回もざっと書いたが、7月末に家を追い出され、陰であるBerkeleyに住むのもあれだと思い、今学期はサンディエゴからハワイ、そして日本にてリモートで授業を受けながら色々なものを見て、インターンなどを通して学びたいと考えていた。
MBAはもちろんソーシャルの面が強く、生まれて初めて外国に長期滞在し、外国の友人が出来たことはとても嬉しいことだった。USのベテランとサンディエゴについて深夜に話したり、インド人とTeslaやAppleのインターンの話で盛り上がったり、アメリカ人カップルとオークランドの山にハイキングに行ったりと、これだけ見ればリア充な生活をこの数週間は送っていたのだろうと思う。
ただ、それ以上に自分の物足りなさ、社会経験や知識の少なさに対する渇望感が強かったのだと思う。何度も書いてきているが、僕は「医師であったこと」に少しコンプレックスを感じている。普通に見たら、なんてことを言うんだと思うだろうが、僕は「自分のやりたくない事に8年間も時間を割いてきてしまった」という事に若干の後悔というか、言い訳を求めてしまっているところがある。逆にビジネスというものが僕にとってしっくりくるものであったからこそ、何故早くからこの世界に入っていなかったのか、医者のスキルが何故Transfer出来ないのか、という事をたまに考えてしまうのだ。
故に、それにいち早く追いついて、自分で世界をリード出来るくらいの人材になりたいと思っている。その為には、どうしてもソーシャルを捨て、人一倍社会経験とアカデミック、そして英語に時間を割かねばならないと感じているのだ。
具体的にはまず今学期は、アカデミックは完全にエンジニアと化している。夏期のインターンやインキュベータでの経験など人には恵まれた一方で、エンジニアと関わる経験が薄く、自分自身何か作り出そうとコードを学んでみるものの挫折してしまい、包括的にテクノロジーをみる事が出来ずにいた。それがEngineeringの世界では有数のUC BerkeleyでBioengineeringを学び、かつInfomation schoolの授業でPythonとData Scienceの基礎を学ぶ事が出来る、とのことでこれはもうやるしかないと思った。そもそもコーディングはアルゴリズムの考え方はMathに近く、Bioengineeringも今学んでいるBioMEMSなどPhysicsが入る要素が強く、僕の演繹的思考法に沿うところがあった。とても良い機会が降ってきたと思い、課題や試験は大変ではあるが、全力を尽くしている。
一方で、インターンをやって見て、アウトプットの重要性をはっきりと実感した。Product Managementと頭で分かっていても、実際にやって見ないと感覚に落ちず、またそのスキルや知識の吸収率も段違いなのだ。Persona, User Journeyの重要性やProduct Prioritizationのやり方など、実践を通して学ぶことは想像以上に多かった。もちろんMBAで学んだ概念理解は役になったと思うし、それがないと俯瞰して見れないとも思っているが、両方揃うと掛け算されて飛んでもないスピードで成長できるという事を確信した。それなので、今学期はGenomelinkでのインターンを続け(幸運な事にPMインターンで続けさせてもらう事ができた)、元々働きたいと思っていたEnhanceのマーケチームとも繋がることができ、冬はMicrosoft JapanのMixed Realityチームでインターンする事が出来る事になった。コロナの中で、こうした機会がある事に感謝し、なんとか上手くこれを乗り切れれば、凄い形で繋げられそうな気がしている。
もちろんリクルーティングやビザ問題など、悩みの種はあるが、システムに囚われずに自分のやりたい事、意思を優先する事を忘れずにやっていく事こそが成功であり、他人との競争の先に本当の幸せな成功はないと身に刻みながら前に進んで行こうと思う。
次はハワイから。