先週の地獄の様な気分の落ち込みから復活してきた。何がきっかけということはないが、徐々に気運が上を向いてきた気がする。
中村天風の「運命を拓く」を読んだ。ある種の哲学・自己啓発本ではあるが、今の様に心が落ち込んだ時に読むべき本としてはとても素晴らしい物であった。中村天風は稲盛和夫や松下幸之助と言った経済界の偉人を始め、東郷平八郎など偉大なる日本人も師として挙げていたと知り驚いた。
人間は宇宙霊と繋がっており、そのエネルギーを受け取ることで、想像以上の力を発揮し物事を達成する事ができる。こう書くとスピリチュアルさが凄いが、僕は元々スピリチュアルの様な論理を超えた力や宇宙意志の様なものは存在していると思っている。盲信的に信じるのではなく、大きな力を信じその直感を汲み取って今まで行動して来た。常に僕はFirst Principleで考える事を意識して来た。物事の本質や真理を考えるに当たって、論理を超えた力について考える事は避けて通れない。なぜ宇宙がこの様に発展し、人間が奇跡的な力を手に入れたのか。こうした宇宙意志の様な物を曲解し、そこに盲信的になってしまうと問題であると思うが、そうした論理を超えた力を受け入れ、自分の力を尽くす事は大切だと思っている。
ただ心の底では信じていても、社会に出て競争に呑まれると中々そうした感覚を忘れがちになる。自分の心持ちが現実を作り、宇宙のエネルギーを引き寄せる。故に、不安や嫉妬などの負の感情を捨て、積極性、勇気、信念を持ち、感謝と歓喜で前に進む。これがこの1年近く出来ていなかったのかもしれないと思った。
知らず知らずのうちに、ベイエリアでの成功とPMという肩書、そして30代での早い成功を求めていたのだろう。自分自身特に、成功を焦っている面はあると思う。20代のうちに、社会経験薄くもリスクをとってMBAに入ったのもそれがあるのかもしれない。そんな事は真理や本当の幸せとはなんの関係もないのに。
今の自分が本当に求めている物を見つけ、そこにアプローチする。その過程が重要なのだと気づき、心が楽になった。周りが皆、良い会社で良いポジションを見つけていようと、自分には信念があり道を選んでいる。決してレジュメの穴を埋めるためではなく、自分の今やるべきことに向き合い、理想を実現しようとしている。そうしているうちに徐々にだが、良いサインが現れて来た。
今日はBerkeleyにある日本人が創業したゲノムのスタートアップのCEOと話す機会があった。医療系という事で敬遠していたが、僕の求めるコンシューマーヘルス的なアプローチを行い、カスタマーの素早いニーズをきちんと捉えプロダクト化する姿勢に惹かれた。もちろんSeed段階のスタートアップでお金も殆ど出ないが、自分の直感が惹かれた機会が入って来たというのは素晴らしい事だと思った。
また、友人数名から勧められた日本のARスタートアップのCEOとも週末に話す機会を得た。ARという技術は、僕らの生活をカラフル、感性豊かに出来る技術としてずっと注目して来た。ただ時代が早く、まだどう使うのか、どう言ったニーズを解決できるのかということを模索している段階だった。僕自身はそれを見つけたらARで起業したいという思いがとても強かった。そうした経験を得るためにNianticやAkiliなどにアプローチしていたが、今回のこのスタートアップはもっとUXベースでAR体験にこだわっており、色々な事が学べると感じた。どうなるかはわからないが、勇気を持って話す事で何か一歩を踏み出せる機会を得られたのはとても良いサインである。あとやはり、CEOと話せるのはとても良い。僕は以前の職場もそうだが、働いたり、留学など人生の重要な機会の際は組織のトップと話して得る事が多い。正直言って、今回のリクルーティングも数多く行う上で、Hiring Managerと話す事はしっくりこなかった。やはりこうしてCEOからトップダウンで行ける事はとても良いサインである。
そして最後にだが、丁度2日前に友人である新井と小田と話していて、新井のキャリア、人生を大きく変えるかもしれない機会を1時間で急激に作り出す事が出来た。電話をしていて、商社のキャリアは今後どうなんだということを話していたが、急に別のスタートアップのCFOという選択肢が出て来て、そこのCTOを高校の同級生がやっており、電話で繋いだところ丁度ファイナンス系の人材を探していたということであった。こんなにスイートスポットでベストな人生のポジションがあり、簡単にも見つかり、ガラッと変わりうるのかという事に驚嘆した。もちろん羨ましくもあったが、何より人の未来が開けたというのを間近見て、それに関わる事が出来たのはとても嬉しかった。物事をしっかり考えているが鬱屈している人の助けになりたいという気持ちはずっとあり、小さいながらもそれが出来た事に感激した。
そんな訳で依然暇を持て余しているが、良い前兆は出て来た様に思える。前向きに生きる。