ここ最近はずっと本を読んでいた。中村天風の三部作と最近出た「信念の奇跡」を読み返した。1冊1万円もするとんでもない本であるが、久々に読んで改めてその力を感じ取った。やはり本は一度読んで終わりではなく、本当に影響を与えるものは何度も読み返してこそ心に刻まれるものだと思った。

僕はアインランドの「水源」もこうした人生の危機において自分を見直す重要な本だと思っているが、改めてこの中村天風の著書を読み返すことが出来て良かったと思っている。以前も書いたように、「人生の危機」というものを実際に相対し、乗り切ることは難しい。「平時」における精神状態と「有事」における精神状態は大きく違うのだ。「平時」においてはどれだけ偉そうで高尚なことが言えても、「有事」に瀕すると人は大多数が自己保全に走り、安易な解決策を望む。そしてその精神も弱くなってしまう。これは、僕が数々の「危機」を経て感じてきたものだ。そして、その「危機」や「有事」を実際に自分の人生において実体験してきた人は少ない。故に、そうした知見やその状況下における立ち回りかたなどを相談出来る人も少ないのだ。残念ながら、僕には「メンター」と呼べる人は今まで一人もいない。苦境かにおいて救いの手を差し伸べてくれた「恩人」と呼べる人たちはいる。けれども「メンター」として自分に人生の厳しさや本質を説いてくれた人は一人もいない。故に、こうした危機状況下においても頼る人はいなかった。そんな中で本当の危機を体験し潜り抜け、多くの偉人たちにその本質を説いてきた中村天風の著書は数万払うに値するものであったし、こうした中で読む事ができてとても心に刺さるものが大きかった。僕が本当に尊敬する松下幸之助や稲盛和夫、山本五十六や東郷平八郎、最近だと大谷翔平も彼の本を読み、教えから学んでいるという。これも一つの大きな良い前兆であった。

本を読んで感じた事としては、結局「自分の心持ち」が運命を決めるという事だった。もちろん自分の人生が危機に瀕すれば精神は弱くなり、その危機からなるべく早く脱しようとする。ただ、そういった判断が裏目に出て、どんどん不運の泥沼に嵌ってしまうこともある。そして、自分を売って短期的に脱出することはできるかもしれない。けれども、それにより自分という物の本質が失われ、長期的に辿り着けるはずだった場所を諦める事になるかもしれない。そんな中で、自分が取りうる態度として「絶対積極」という事は考えさせられるところが大きかった。勿論本を読んで、その精神状態にいきなりなれるかというと難しい。けれども、自分の中の深い部分で共感を得、少しながらでもそういった状態になれるよう努力をしていこうという気分になれた。そしてその「絶対積極」の精神において頼るべきものは「大いなる何か」であるということも直感的に理解できた。霊的なものを信じるというのは、現代の科学や論理的な世界においてはかなり胡散臭く感じるものである。一歩間違えれば詐欺紛いの問題になってしまう。けれども、僕は割と幼少時からそうした「何かに導かれている」「自分が直感したことは時間をかけて諦めなければ必ず叶う」という感覚を持ち続けていた。故に、自分の個性的な道を歩んでこれたことも確かである。

ノーベル賞受賞者の山中さんや村上春樹も、危機に瀕した時に不思議な力が働いたことを語っている。物事は過去があり、現在があって、未来があるだけでなく、未来があり、それが故に現在を生きる必要があり、そのために過去があるという逆の時間の流れもある。こうした中で流れを引き寄せるために、「絶対積極」の精神に則り、最後まで諦めずに強く戦い続けようという意識になれたことは、自分の中での大きな成長ではないかと思っている。

そんな中でもいくつかの良い前兆があった。LinkedInのポストで連絡してくれたSezaからUnity LabsのPMのポジションを紹介された。社内の状況曰く10月以降に出す予定らしいが、Hiring managerを紹介してくれ、連絡したら来週話すことになった。アプライ前に、こうしてHiring managerと話す事ができ、またUnity Labsにいた何人かとも事前に話す事ができたということはとても良い前兆であると思った。そして、なんとなく昨日動画を見ていて、New York Cityに数年住むのかもしれないと根拠なく思った。その創造性、華やかさ、最近の盛り上がり。そしてDouble Dutch時代の思い出、クリスマス時期の素晴らしさ。情報量が多いのは厳しいが、近い未来、2年ほど住むのかもしれない、と直感的に思った。こうした直感はなんの根拠もないが、念いと実現にはラグがあり、往々にして不思議なことに実現する。なので2025年あたりにNYCに移住していてもおかしくないのかもしれないと、ふと思った。

こんなわけで、依然物事に大きな変化はないが、この数週間ベイエリアも涼しくなり、心も落ち着かせて色々な本を読んで自分を振り返った。こうした自分の中の覚悟や思いの変化がどういった人生の導きをもたらしてくれるのか楽しみである。

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