現在12月23日朝、オークランドからハワイへ向けての飛行機の中でこの文章を書いている。
気がつけば、2019年、いや2010年台もあと1週間という事でかなり衝撃を受けている。
この一年は大変な一年だった。
去年の12月に得た直感を手になんとかMBAへの進学とJOMDDでのインターンという道を紡ぐことが出来たのが前半2/3。そして、8月に渡米してからは、怒涛のMBAの生活であった。
こうも1年で人の生活は変わってしまうものなのだなと思わされた1年だった。
総じて、大変であった事には変わりなく、休む暇なくずっと頭か体が動いていた気がする。
最初のMIT MBA受験はこれも振り返ってみれば大変であった。仕事していない分、ずっとエッセイやインタビューに時間を費やしていた。Waitlistになってからも、斎藤さんの御恩もあって、多くの時間をアプライに割いていた気がする。結局、MITに行く事はなかったが、Berkeleyに土壇場で救われた。もしBerkeleyに落ちていたら今頃どうしていたのだろうか。多分JOMDDにいるのかな。
JOMDDでは1月に数日のインターンのつもりであったが、野口さんや内田さん始め多くの人の人柄の良さとベンチャーの良い意味で緩い雰囲気に惹かれ、結局海外インターンも含めて7ヶ月もいる事になった。JOMDDの事は研修医の頃から目をつけていたが、なんとなくデザインセンスがない事から敬遠していた。ただ、こうして時間を経て点が繋がって行く事はとても興味深い事だった。ベンチャー投資からプロダクトマネジメントまで多くの事を実務を通して学ぶことが出来た。これも僕にとっては振り返ってみると最善の選択であったと言える。研修医2年だけやってStanfordに受かっていても、何も実務ベースの知識もなく、その後のキャリアも陳腐なものになっていただろう。何事も直感を信じて動いていれば、短期的には苦しくても長期的にみると最善の道を歩んでいるのかもしれない。
そして、8月中旬からのUC BerkeleyでのMBA生活はまたこれもとんでもないものであった。正直始まる前にはどうなるか想像もついていなかった。今思うと、なんとか生き残ったという感じが強い。リクルートメントとか、スタートアップでの経験とか達成したいと思う事はかず多くあるが、総じて「全力を尽くした」というのが感想だ。HaasBoatやMexico Trek、Talent showなどのSocialにも参加し、Academicは19単位取得、リクルートメントはPMを目指して情報収集、レジュメ、カバーレター、インタビューなど本当に空いている時間は全てそれに割いた。僕は「努力」という言葉が嫌いだが、多分これは「努力した」という事になるだろう。そしてこれが一番大事な事だが、多くのイベントやタスクに惑わされずに、自分のキャリアも考え続けた。ヘルスケアという強みをどう創造的に活かすか、という事にフォーカスして考え続けた。チル、共感覚など具体的なテーマや、人間拡張としての医学、ゲーミフィケーションなどある程度、攻めるべき領域が定まってきているのは感じる。MPHも自分にポリシーは合わないと判断してドロップし、Master of Bioengineeringに転向した。今年から始まったMBA/MEngにAcceptされたのは本当に自分は持っていると思う。思い返せば、研修医1年目の頃、Bioengineeringに行こうと考えて、東大を見学したのが懐かしい。そんな二つの興味であったMBAとBioengineeringを同時に、しかも2年間で学ぶことが出来る機会はBerkeleyだけであり、やはり信じれば長期的に点が繋がってくることを再認識している。
来年はまた多くの試練が待ち受けている。もちろんMEngの授業があり、インターンを含めた就活、卒後のキャリアもきちんと進まなければいけない。ビザ問題もある。Japan Trekの実行もやらないといけない。日本ではオリンピックや友人の結婚式があり、何度か帰る事になりそうだ。
多分こうした試練でまた打ちのめされて、疲れ果てるんだろうなと思う。やれやれと思う一方、試練があり、それに直感的に挑戦したいと思えている自分は幸せだなと思っている。普通に慶応医学部で周りに順応していたら、今頃医者4-5年目で普通に病院で働いているはずだからだ。挑戦は疲れる。けれども、長期的にみると道を切り開いてくれる。
今年の教訓は、「本質的な苦労は、短期的には苦痛だが、長期的には点が繋がり報われる」である。
来年は節目の2020年で20代最後の年である。こう考えるとまだ僕は想像以上に若い。36歳までで学ぶインプットを超高速で30歳までに詰め込んだ感覚がある。20代でやるべきインプットは、学問だけでなく、仕事、哲学や自己表現、男女関係など、何であれある程度学べた事に満足している。来年以降、30代はアウトプットに舵を切っていく事になると思う。そこで結果を出せるかが本当の勝負なんだろうと思っている。正直言って自信はまだ無いが、自分に出来る事を一つづつクリアして行って、また想像もつかない地点に辿り着けると良いなと思っている。
良いお年を。