急激に昨日友人に誘われて、六本木ヒルズのストラディヴァリウス300年目のキセキ展に行ってきた。今日までだったらしい。こういうことが出来るのもニートの特権である。

結論から言うと最高だった。

展示に加えて2回の演奏公演があるのだが、どちらも見るために、2回チケットを買ったくらいだ笑

実はストラディヴァリウスの音色を聞くのは初めてだった。

聴いてみて感じたことは、圧倒的に音の質が良いこと。厚みがあり、無駄な雑で荒い部分が全くない。音調を上げても下げてもその質は安定している。その厚い質の良さが遠くまで減衰されずに伝わっていく感じに感銘を受けた。

2種類のバイオリンと1種類のチェロを拝聴したのだが、どちらも楽器自身のポテンシャルを存分に発揮していて、ここまで音楽に身を任せられたのも初めてと言って良いくらいだった。

ストラディヴァリウスの凄さもそうだが、僕が今回の演奏を通して感じたのは、弦楽器の官能性だった。その5本の弦と弓が作り出す音楽は、サインカーブの様な妖艶な曲率と振動、規則的な周期を生み出している。これは、ピアノやティンパニの様な打楽器とは全く違った見え方がした。

直感的にだが、ワインに似ているな、と思った。特にブルゴーニュ。グラスの曲率や、ワインボトルのエレガントさ。香りの質の良さは音の質の良さに通じるものがある。そして、独特のストーリー。

職人たちへのインタビューで印象に残ったのが、「技術や道具、分析などの革新は生まれているが、未だにストラディヴァリウスを越える楽器は作り出せない。それは、彼のマインドの受け継がれがストップしてしまったせいなのだ。その精神性を作り出すことが必要だ。」と言う趣旨のことだった。

こうしたものは、技術や論理で捉えられない人の力や未知の力が働いていて、人々を想像の世界へ誘ってくれる。まさに一流の共感覚であり、これらのインスピレーションを是非創造に活かしたいと感じた。

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