7月の頭に眼内レンズをやってから、その技術の先進性と素晴らしさに惹かれて、マーケットニーズ、独占率などを考慮して、Staar Surgicalという会社に投資した。Q2の決算は良く、その時から40%も株価は上昇を見せている。

色々と僕が思うアップサイドとダウンサイドを書き綴って行こうと思う。

まず、根本となるのはその技術とビジョン。

技術は眼内レンズ(ICL)の製造である。眼内レンズは以前も述べたとおり、可逆的な視力矯正術であり、レーシックと比べて安全性が高い。そして、ハローグレアや過矯正などの副作用も起こる確率が低くなっている。(2014より導入されたホールICLのおかげで、房水の流れの停滞のリスクも減った)

そして、視力矯正する即ち視力が悪い若者は主にアジアにいる。その数は、中国を始めとして今後も上昇が見込まれるであろう。これらを鑑みると、向こう5年のニーズとしては盤石極まりない。

ダウンサイドは中国でのニーズ停滞であり、トランプが途方もない関税を製品に賭けるなどしない限りは、大丈夫であろう。僕の周りの若者たちも、眼内レンズにかなり興味を示している。眼科で聞いた感じ満足度も非常に高いらしく、口コミで指数関数的に広がっていく感じはする。僕自身も術後の満足度は非常に高い。

そして何より、そのICLという技術がほぼStaarの独占状態であるというのが大きい。他の眼内レンズを調べてみても、前房型(時代遅れ)であったりとイマイチなものが多い。みんな白内障に気を取られすぎて、有水晶体型のレンズはスルーしていたのだろう、まさにブルーオーシャンである。コンタクトレンズを売り出しているJ&Jなどが参入して来る可能性はあるが、治験や長期成績、研究広告費などを用意するのは容易なことではないだろう。考えられるのはStaarの買収くらいだ。

そして、財務的にもかなり今は良い状態になってきている。

上の図でわかるように、今まで研究/広告にかけてきた金が回収し終わり、これからは全部利益で帰って来るフェーズに入ってきているのがわかる。考えてみればわかるが、眼内レンズなんて材料はコンタクトと同じで、原価は殆どしない。大量生産に必要なのは広告宣伝費だけなのだ。そのため、比較的簡単に利益は拡大すると考える。

もう一つの根拠はコンセンサスEPSなどが意外に低いこと。多分マーケットはStaarの黒字化はもう少し先だと踏んでいるようだ。僕は、アジア圏でのExponentialなニーズの高まりによって、それがかなり前倒しされてきていると思っている。Income Statement(損益計算書)上も、どう考えてもQ3でも黒字が予測される。そして多分だけれども、見た感じ2017 Q4が底値だったんだろうと思う。

最後に考えなくてはならないのは、この株はおおよそどこまでいうのか?という話である。

既にStaarはMarket capは$2B(以降金額は全てドルベースで表示)であり、PERベースだと300である。事業の多角化やニーズがとても広いAmazonやTeslaであれば、レバをかけてどこまででも株価は伸びる余地があるが、現実的にStaarの事業はICLのみである。今現時点で、四半期ベースの売り上げは33Mであり、利益は2Mである。YoY30%↑で伸びていくとは思うが、必ず天井がある。何故なら目が悪くて視力矯正したい人には限りがあるからだ。それがどこなのかを見極めなければならない。

一時期レーシックは年間70万例ほどやられていたが、現在は感染の問題により10万例程度になってしまった。ICLは眼科医のスキルも必要であるため、もっと症例は限定されるだろう。それでもざっくりレーシックを置き換えて10万例程度と見積もる。

アジア圏での普及(中国や韓国)をGDPベースで5倍と見積もると50万例/年。一回のオペの費用が$500K程度で、手術費用などを差っ引くと200K程度はStaarの売り上げになるのではないかと思われる。そうすると、ざっくり1B億円は売り上げになる。売上とコストの伸び率から、純利益率は高く、10%程度利益になると勘案すると、100M億円は儲かる計算になる。

ヘルスケア機具の王であるJohnson&JohnsonのPERが25であることを使えば、大体2.5B辺りが頂上かとざっくり計算できる。けれども実際、世の中は指数関数的に発展している。アジア圏での普及は主に中国に起因することが大きく、上振れして10倍になることは全然ありうることである。

それなので、今のペースであれば5Bくらいまで行く余地はあるのではないかと個人的に思っている。

ダウンサイドとして、トランプ政権による貿易戦争か、重篤な副作用をメディアが大々的に誇張宣伝することは大きくニーズに響くので、注視するべきである。アップサイドは、老眼に対する遠近両用ICLなどの新規事業や北米市場でのICLの認可であろう。(実はなんとアメリカで認可受けていない!驚)

結論だが、Staar Surgicalは非常に良い投資タイミングである(あった)し、今も買いかと言われると、買いだというべきだろう。Q3前には株は少し調整すると思うので、そのQ3発表の直前に買って、跳ねるのを確認するのが良いかと思われる。もっとも、それまでに更に株価が延伸する可能性があるのでなとも言えないが。

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