帰国してから再び片頭痛の頻度が上がっている。
1週間に二度以上くると本格的に生活が厳しくなる。
楽しいことをしていても、光がチラついて、「片頭痛かもしれない?」という気が起きると一瞬で警戒心が増して気分が憂鬱になる。全てに対して感覚が敏感になって、それがゆえに天気や環境が悪いだけで想像以上に疲弊してしまう。
片頭痛は僕に知能や独特の感性をもたらしてくれたが、一方で苦悩ももたらした。今はそのダウンサイドが強いときなのかもしれない。
医学的には、加齢と共に血管が硬くなるため頻度は減るはずだが、なぜか僕の場合はむしろ増加している。閃輝暗点のある片頭痛は、将来的な脳梗塞のリスクが3倍に上がり、鬱病で自殺リスクも上がる。ベートーベンや芥川龍之介が悩まされながらも、芸術のセンスを発揮したのも片頭痛の面から見れば納得だし、僕もそうしたように芸術に惹かれるのは片頭痛のせいなのかもしれない。医師と言う職業は感性というよりも、安定して他人に対しての思いやりを見せる職業であり、片頭痛に喚起された個性の強い感覚的で鋭い性格には全く合わなかったのだろう。
思考の流れが違く、ある意味でGifted的な思考法をしているのも多分片頭痛によるもので、いろんな面で社会との隔絶が起こってきていると感じる。
なんとかうまい具合に社会との距離感を持ちつつ生きていきたいものだ。