MITの結果が出るまであと数ヶ月、ある意味で精神的にしんどい時期となる。
端的に言って、これは浪人している状態と同じである。僕にとって浪人のような挫折は初めてであり、かつ周りに一緒に頑張る仲間もいない為、宅浪に近い状態なのである。更に言えば、医師というプロフェッショナルキャリアを脱落したという落差、27という現実的な年齢が重い石のようにのしかかってきているのである。その精神的負担は計り知れない。
これはどうしたら抜け出せるのか、どうもがいても這い上がる事の出来ない沼のような感覚であり、正直言って苦しい。
「挫折」はある意味、目標を達成できなかった結果であり、終わってしまえば吹っ切れて心は楽になる事が多い。そういう点で僕は「挫折」の方が楽なのである。僕はキャリア的には全く「挫折」がない様に見えるが、そんな事はない。恋愛的に挑戦して失敗したり、勿論GMATなどのテストで良い点が出ないことも幾度としてあった。就活だって失敗したりした。けれども、ある種これは、失敗したら諦めが付くのだ。
そういう点では、僕にとってリスクをとって挑戦→挫折は重く考えなくて良いのだ。
けれども、それが続いて大きな成功がなくなってくると、自信を喪失してくるのだ。そこに孤独感やリアルな現実感が組み合わさると、上で述べた様な重石の様な精神的負担になる。多分これを感じて悩んでいる人は若い世代で割りかし多くいると思っている。年齢が若い方が、孤独感や自信のなさが大きいからだ。
僕がどうしてもMITに行きたい理由はそれにある。
ずっと僕は日本にいることに不安感を持ってきた。その重荷を下ろせること。所属の欲求を満たせること。自分のやりたいことに近いこと。勿論Top tierに行くという自信。多くの精神的負担が取れるのだ。
思えば、大学入学当初からこの兆しは感じてきていたのかもしれない。「医学部」や「医療界」という世界があまりにも暗く、権威主義的であり、僕のある種「芸術家的」「反体制的」「自由主義的」な志向とは合わなかったのだろう。
2010年からもう10年が経つ。そろそろ抜け出す時が来た。
今回が最後のチャンスになるだろう。May the force be with us.