東京からサンフランシスコへ向かう飛行機の中にいる。この1年で世の中は大きく変わってしまった。この2年間で東京→SFへと4回移動しているのだが、回を重ねるごとに希望は期待は下がっている。
理由としてはもちろんアメリカがめちゃくちゃになってしまったのもそうだが、それ以上に日本という場所がコンフォートゾーンになってしまったというのもある。今まで、コンフォートゾーンというのはある場所で、地位を確立していく事によってのみ形成されると思っていたが、別の苦しい場所を経験し、そこから帰ってくる事によっても形成されるのだと感じた。
この1年バークレーやハワイなど色々なところを転々としながらアメリカで暮らしたが、振り返ってみると想像以上にキツかった。不確実性や孤独の中、なんとか前向きになろうと進むも様々な障害で痛み付けられてなんとか日本に帰ってきた感じだった。日本も緊急事態宣言が出たり、時差に苦しめられたりと厳しさはあったが、総じて安定して物事を進めることが出来ていた。不確実性は低かった。
そんなかんなで再びUSに戻っているのだが、かなり精神的には苦しみの中自分に鞭打って行動している感じがしている。もちろん日本よりアメリカの方が状況が厳しいというのもあるのだが、それ以上に去年1年のUSでの暮らしと就活の拒絶に伴う苦しさがトラウマとして付いてしまっているというのがある。戦場に行った兵士がPTSDを発症するというが、そういう感覚がある。人間辛かったことは忘れるというが、あまりにも深い苦しみを長期間受け続けるとトラウマとして心に刻み込まれてしまう。また、それを行わなければならないという恐れが僕を苦しめている。不確実性も追い討ちをかけている。状況がある程度確実であれば、リスクも喜んで取れただろうが、この状況下いつサドンデスするかもわからない中、進んでいくのは本当に暗闇の中で光を求めて彷徨う感覚がある。
そんな精神状態の中で、別れを惜しんでくれる人たちも多く、グッときた。こうして苦しい20代を潜り抜け、漸く落ち着いて物事が見れるようになり、周りにも余裕を持ち始めることが出来るかなというところで、再びリスクをとろうとする自分、そしてその自分をけしかける直感に辟易としている。
唯一の救いはまだ20代であるということなのかもしれない。29歳だけどまだ30代になるまで4ヶ月ある。自分のやるべきことや進むべき道を求めて色々な壁にぶつかって来た10年間だった。精神的にはもう37歳くらいの感覚だが、肉体的に20代で、少しの停滞を許し、言い訳できる歳であることに少しホッとする。
去年の帰国時もSFは雨が降っていた。そしてまた今年も雨予報らしい。今回はこの雨が行先の苦しみを暗示していないと良いのだが。。。May the Force be with us.